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リーマンショックを振り返る~当時の不動産市況

リーマンショックを振り返る~当時の不動産市況

今回の「コロナ禍」により、世界的な景気後退が危ぶまれています。

これまで不動産市場はいくつか危機的な状況を迎えました。市場が大きく下落したのは、1990年のバブル崩壊と2008年のリーマンショックです。

本記事では、リーマンショックを振り返り、当時の不動産市況はどのように変化したのかについて解説いたします。コロナ禍の影響に負けないために、過去の経済情勢を参考に対策を講じていきましょう。

1.リーマンショックとは

リーマンショックが発生し、世界経済が混乱したのは2008年9月のこと。アメリカの大手投資銀行であるリーマンブラザーズが経営破たんしたことで、株価の大暴落や契約の打ち切りなどが相次ぎました。

① なぜリーマンショックが発生したのか

リーマンショックが発生した当初、アメリカではすでに住宅のバブル崩壊が発生していました。政府が打ち出した金融施策が軌道に乗らず、金融崩壊を起こしていたのです。

中でも取り分けて有名なのが、サブプライム住宅ローン危機。アメリカでは低所得者層のために、審査が緩い代わりに金利の高いローン商品をつくり、住宅購入を促進させようとしました。ところが、これが大失敗に終わります。住宅を購入しやすい環境を作った結果、住宅の価値が下がったうえ、ローンを支払うことができない債権者が増加したのです。
これにより、金融機関が回収できない多くの不良債権を抱え、倒産に追い込まれました。
下落

② リーマンショックがもたらした日本への影響

リーマンショックの影響を受け、輸出が多い日本では円高が発生。その結果、景気を示すGDP(国内総生産)が最大でマイナス5.5%となりました。GDPが下がると、国内の生産品質が下がり、株価も下落します。つまり、投資において大きなダメージを与えることになります。

その結果、国内でも雇用の打ち止めや保険会社の倒産、不動産市場の下落などの様々な影響をうけ、国内の景気後退へと繋がることになったのです。

2.不動産市場の変化

リーマンショックが不動産市場にもたらした悪影響は、「地価の下落」「中堅デベロッパーの破たん」の2つです。

① 地価の下落と中堅デベロッパーの破たん

サブプライムローンの開始で、一時は日本の不動産市場も活性化を見せ始めました。しかし、リーマンショックが発生した2008年以降は住宅地・商業地ともに地価が下落し、一気にマイナス圏へと落ち込みました。

これにより、金融機関は中堅のデベロッパーに融資の引き締めを行います。そのため、資金繰りが難しくなった企業は、経営破綻を起こしました。

② 不動産市場は遅れて価格が下がる

不動産価格は景気が悪化してから、数値に現れるまで数年ほどかかります。リーマンショック時では、不動産市場の悪化が数値として確認できたのが2年後の2010年です。

国土交通省の地価公示価格によると、首都圏の地価は2008年時点ではプラス5.5%だったのが、2010年にはマイナス4.9%まで下落。商業地の影響は住宅地よりも多く、2008年にプラス12.2%だった地価が、2010年にはマイナス7.3%にまで落ち込む結果となりました。

3.リーマンショックからの回復

リーマンショック以降、景気回復の兆候が見られたのは、5年後の2013年。アベノミクスがスタートしたことを皮切りに、地価も上昇し始めます。アベノミクスが行った「金融政策」「財政政策」「民間投資の成長戦略」の3本の矢が、景気回復に大きく貢献しました。

① アベノミクスの影響でマンション価格が上昇

アベノミクスの影響で、特にプラスの影響を受けたのが首都圏のマンション市場です。2013年にはマンション価格が上昇し、2019年にはバブル崩壊以前の価格にまで推移しています。

これは、皮肉にもデベロッパーが倒産し、マンション供給が一時的に減少したため、住宅価格が上昇したことが原因です。特に、首都圏の中古マンション価格は一時的に下がったものの1年後には価格が上昇。リーマンショックがきっかけで、マンション市場は大きく上昇に転じた結果となりました。

② コロナ禍との違い

リーマンショックでは、金融機関の融資の引き締めが発生し、デベロッパーの経営破たんが発生しました。しかし、今回のコロナ禍では金融機関の貸し出しは減少どころか、増加傾向にあります。リーマンショック後にマンション価格が上昇に転じた動向を見ると、コロナ禍により、一時的に不動産市場が下がったとしても、今後上昇に転じる可能性もゼロではありません。

日銀は、今後もコロナ対策の一環として「無利子融資」などの、大規模な緩和の継続を発表しました。このことから、今回も不動産市場は回復しやすい状況にあるとの見方もできます。

しかしながら、コロナ禍で怖いのが「感染状況の長期化」です。一時的に景気が回復しても、コロナ騒動が長期化すればどのように景気が変化するかわかりません。下手に動くよりも、まずは状況を見極めていくことが求められます。
扉の外には青空

まとめ

リーマンショックの影響で一時的に不動産市場は下落したものの、国内のマンション市場においては大きな下落は見られませんでした。それどころか、わずか1~2年後にはマンション市場は上昇し、2019年にはバブル崩壊以前の価格にまで推移しています。

リーマンショック時には、国内の金融機関が融資の引き締めを行いましたが、今回のコロナ禍では、大規模な金融緩和施策が打ち出されています。このことから、リーマンショックのように市場回復への期待も高まります。しかしながら、長期化の恐れもあるコロナ騒動。下手に動くのではなく、景気がどのように変動するのか情報収集を怠らないようにしていきましょう。

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